ーー暴君の真意ーー
「レイリーはどう思うの?」
「そうだな・・・」
いつもより難しそうな顔をするレイリーに、もうーんと腕を組み首を捻る。
七武海の一人、暴君くまの行動。
実は革命軍の幹部で、麦わらの一味を逃したいからの行動だった。
落ち着いて話を聞いたとしてもにわかには信じられない。
でも、信用できるような直感を感じたのも事実で・・・
(「それにしても・・・」)
世界政府がやっていることがとんでもないことなのは今更だが・・・
人格がなくなる完全な人間兵器と成り下がってまで、くまは何を果たそうとしたのだろう?
それだけ強い信念で・・・
(「そう言えば、あの時も・・・」)
『変えたいか?』
革命軍を率いる男からの言葉。
あれ以後の接触はない。
むしろ世界政府が血眼になって探しているのだ。
あの出会いは天文学的確率だろう。
美しいと謳われていた国が行っていた非道を目にして、言われたあの時。
強い信念を目の前にし、あの男の誘いを蹴ったのは今でも覚えている。
『なんなんだ、オレはぁ!!
仲間一人も、救えない・・・!』
あの男の息子。
懸賞金3億ベリー、モンキー・D・ルフィー。
ガープから聞いた時は、心底驚いた。
似ても似つかぬが、あの思いの強さは共通している。
そして、弟を自慢気に話し『気にかけてやってくれ』と言われたあの男の兄弟。
そして、四皇の彼が左腕を託した者。
あの少年は無事だろうか?
「ねぇ、レイリー・・・」
「ん?」
「ルフィーさん、方角的には凪の帯に飛ばされたよね?」
2013.7.15
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