「若い芽を摘むんじゃない。
これから始まるのだよ、彼等の時代は」
















































































ーー接触ーー

















































































コーティングの手伝いに行ったは、盗聴からこの島に黄猿がいることを知ったのは30分前。
そして、それを聞いたレイリーはついて来いと走り出し、目下の状況になっている。
海軍本部最高戦力と称される3名の総督の一人、黄猿との対峙だ。

「彼等を見逃す訳にはいかんかね、黄猿君?」
「勘弁してくださいよ。
この子等をとっ捕まえねぇと、我々海軍本部はマリージョアの、天竜人達に顔が立たんのですよ」

ポケットに両手を突っ込んでそう言った黄猿はふぅと息を吐いた。

「邪魔ぁ、せんでくれませんか?」

その言葉に暫く黙るレイリー。
しかし、

「では、致し方ないか・・・」

瞬間、レイリーの背後に一つの影が降り立った。
全身をすっぽりと覆われた姿に何者かの判別はできない。
だが背中合わせのマントにレイリーは呟いた。

「彼らを任せる、できるか?」

その言葉に、キョロキョロと周りを見回す動きを見せるとマントは唸った声を出す。

「離れ過ぎてどこまでフォローできるか分からないけど」
「十分だ」

新たに増えた人物に、黄猿は首を折る。

「ん〜?誰かなぁそれは?」

麦わらの一味は船長の言葉で一斉に走り出す。
マントの人物はレイリーに剣を渡し、一味を追い走りだした。
黄猿の問に剣を抜いたレイリーは口角を上げる。

「知らぬなら、まだその時ではないのだよ」
































































は深手で動けないゾロ、ウソップ、ブルックの3人を追った。
目の前にはPX-1の背中を捉えている。

(「ここまで完成してたなんてね・・・」)

追いかけながら、は前を走る人間兵器を見る。
あれの情報を探った時には、あそこまでのスペックはなかった。
増産されれば、この海賊時代はどう変わるのか?
と、目の前に金髪の黒服が飛び込んでくる。

(「サンジ君!」)

3人を逃がそうとPX-1を蹴り飛ばす。
が、その巨体の固さにダメージを受け立ち上がることもできない。
そして動けないサンジを攻撃しようと、PX-1の手の平から光線が狙う。

「うわあぁぁぁっ!」
「させません」
ーードーーーンッ!ーー

光線は蹴りによって軌道を変え、遠くで爆発した。

「あ、あのおっさんの知り合いの!」
「助かった・・・のか?」

動きが止まった背後の3人に、は焦った声を上げた。

「ちょっ!止まっちゃーー」
ーードーーーンッ!ーー

注意が逸れたことでPX-1の光線が襲いかかる。
寸前で3人を蹴り飛ばし直撃だけは避けさせたが・・・

(「参った・・・」)

船長であるルフィーも相手があれでは危ない。
遠くで突如、巨大化して暴れている怪物は、船医のチョッパーか?
ここまで距離が離れていてはできることも限られてくる。

「どうフォローしろってのよ、レイリー・・・」

毒を吐いても仕方ない。
は腰を落とし、居合の構えを取った。

(「速攻潰して、あっちに入るしかない」)

背後に戦えない3人を庇うように、PX-1の攻撃体制と睨み合う。
その時、

「待て、PX-1」

背後の声に、は肩越しに視線を送る。
その言葉でPX-1の光線の光が消えていく。
騒ぎ出す麦わらの一味に構わず、新手を見たは目を見張る。
手にした聖書、そしてこの気配。

「バーソロミュー・くま・・・」

いつでも抜ける状態のまま、は呟く。
瞬間、目の前でその姿が消えた。

「!どこーー」
「情報屋『凪風』だな」
「!」

背後からの声に、は長剣を抜く。
が、それは難なく避けられた。

「ちっ!」
「早まるな、俺はーーーー」

紡がれる言葉に、動きが止まる。
そして聞き終えたは混乱する頭をどうにか整理しようとする。

「な、なんで・・・」
「俺を信じろ」

そう言って、くまはまた消える。
はっ、とした時にはようやく立っているゾロの前にいた。

「・・・旅行するなら、何処に行きたい?」
「待って!」

制止の声を上げるだったが、

ーーポキュンッーー

その目の前でゾロの姿が消えた。
























































2013.7.15


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