「どうした、
今日は何時もより随分早く来たな」

普段であれば、ぎりぎりに来るだろう彼女が自分よりも早く職場に顔を出すことなどない。

「ドレーク少将、お話があります」

執務机に座るドレークの前に立つ
何事があったのか、と思いながら続きを促す。

「どうした?」
「私ーー」













































































ーー突然ですがーー















































































目深に被った帽子の下から、その表情は見えない。
しかし、思い詰めたような沈んだ声のに、ドレークは無意識背を伸ばす。
そして、

「本日をもって、海軍を辞めさせていただきますv」
「・・・・・・」

ドレークは一瞬、言われた意味を理解するのに時間を要した。
晴れやかな笑顔で敬礼を取られて放たれた言葉。
さっきの思い詰めた雰囲気はどこに行った?

「・・・随分、いきなりだな?」

復活したドレークの言葉に、帽子を脱ぎくるくると指で回し遊ぶは肩を竦めた。

「まぁ、元々海兵になるつもりはなかったので」
「そうなのか・・・残念だな、優秀な部下が去るのは」

素直にそう言ってやれば、の帽子がぽすっと床に落ちる。
固まったは、困ったようにぽりぽりと頬を掻いた。

「ん〜、ドレーク少将にそう言っていただけると嬉しいですが・・・
申し訳なさも少々・・・」
「ん?どういうことだ?」

意図が分からない元部下の発言に首を捻る。
しかし、それをはぐらかすかのようには笑った。

「あはは、それについては今は伏せさせていただきます」
「今は?」
「ええ。いずれ分かることでしょうから」














































2013.7.15


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