ーー正義とは?ーー
から報告を受けた。
それは先日、自身が依頼した自分の我儘な任務。
優秀な彼女は、たった数日で調べ終え書面で事細かに報告してくれた。
その文面を追うだけで、状況がまざまざと思い描けた。
「・・・これが、正義か・・・」
世界政府に属する海軍。
絶対的正義の名の下に、民衆を守ることを使命としている組織。
それに少なからず憧れを抱き、門を叩いた。
自分もその正義の一翼を担おうと。
大切なものを守ろうと。
悪を倒そうと。
そして気付けば少将の地位にいた。
だが、手元にある文面はそんな正義とは対曲に位置する所行の数々。
「優秀だな、本当に・・・」
笑いが込み上げる。
これを受け取る際、が渡すのを渋った理由がようやく分かった気がした。
海軍が掲げる正義に疑問を感じている自分が、これを見ればどう思うかなど簡単に予測がついたのだろう。
「・・・これが正義であって、たまるか・・・」
怒りは手元の紙に皺を寄せる。
誰もいない部屋に、静かな呟きが滲んで消えた。
2013.7.15
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