ーー暗闇を覗くーー















































































ある日のこと。
いつも通り、海軍の制服に袖を通し、有能な上司の下で仕事をしていた時だ。
不意の呼び出しに、何だろうと思いながらその人の執務机の前に立つ。

曹長、君に任せたい任務がある」
「承知しました、お任せください」

まるで世間話をするような気軽さで、目の前の女海兵からイエスの返答が返る。
予想していたとはいえ、寸分も違わぬ回答にドレークは息を吐いた。

「いつも内容も聞かずに引き受けるのは君の悪い癖だ」
「それが、私ですから」

短い付き合いですが、ご存知でしょう?とは笑う。
彼女の言う通りだからこそ、ドレークは何も言い返すことができない。
こんな感じの彼女だからこそ、どんな部下も長続きせず、各支部をたらい回しにされているのだろう。
だが、今回だけは話が違う。

「今回の任務は、はっきり言って私の我儘に近い・・・
それに、命の保障はできん」

人払いのされた部屋で紡がれた言葉。
真っ直ぐこちらを見つめるドレークに、も怯む事なく見つめ返す。
そして、あろう事かの口元に笑みが浮かぶ。

「望む所です」

その言葉にドレークは目を見張る。
まるでそれを心待ちにしているかのようなそれに、違和感を禁じ得ない。
が、それが自身の覚悟の後押しのように感じたドレークは続きを口にする。

「探って欲しい、所がある」
「それは?」
「科学部隊だ」













































2013.7.15


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