ーー悪意0ーー










































































「あんたか?アイスバーグさんの客ってのは?」

その言葉には首を巡らせる。
見上げた視線の先には、額の上に乗せられたゴーグル、口にくわえた葉巻。
黙っていれば、強面と称されるだろう。
・・・普通の世間では。

(「あれ?見覚え、あるような・・・」)

僅かに首を傾げる。
が、それよりも興味を引くものがあった。

(「珍しい・・・」)

は思わず見入ってしまった。
歳の割りに、随分と澄んだ色を持ってる人だ。

「珍獣?」
「ケンカ売ってんのか・・・?」

思わず零れた一言に、目の前の男は盛大に顔を歪めた。
純粋故に、感情も素直に顔に出るようだ。

「あ、ごめんなさい。今のは、つい弾みで・・・」
「どんな弾みだ・・・」

米神をひくつかせる男。ますます珍しい。
大人気ない気がしないでもないが、反応が少年のようで。
歳は自分より少し上くらいだろうに。
これは・・・

「レッドデータブック並の絶滅危惧種ですね」
「・・・・・・」

男の纏う空気が怒りに染まっていく。
あれ?
褒め言葉だったのに、どうしてそんな顔をするんですか?















































>余談
「ずいぶんと苛立ってますが、どうしましました?」
「・・・どうしました、だぁ?」
「怒りっぽいと剥げちゃいますよ?」
「てっめぇ・・・!」





2013.7.15

Back