ーー芽生えた信頼 2ーー







































































この島でログが溜まるのに5日。
補給と船の修理に余裕をもってプラス7日間。
これだけ時間をかければ、これからの航海には十分だろう。
他に不足は無かったかと、机上の書類を整理してると、聞き慣れた足音が近付いてくるのが分かった。

「おぅ、マルコ。ここにいたのか」

ここにいたのか、ではない。
自分と同じ立場であるはずのこの男にも、確か仕事はあったはずだ。

「木材の調達は済んだのかよぃ、サッチ」
「んなこと、とっくに終ってるに決まってんだろ!」

意外な答えに、思わず目を見張る。
が、

『サッチ隊長〜、船の修繕の木材頼んできましたよ〜』
「ばっかやろ!大声で言う奴があるかぁ!」
「・・・・・・」

まぁ、確かに終ったようだ。
モノは届くのだ、問題はない。仕事をサボられるよりはマシだ。

「にしても、随分デカイ島だよな」
「財宝を探すには苦労するだろうよぃ」

気になってることだろうを言ってやれば、サッチはにやりと笑った。

「それがなんだ!
俺達、4番隊が根こそぎ財宝をとってきてやるぜ!」
「せいぜい気を付けるこったよぃ」

素っ気なく言ってやれば、サッチは任せておけの一言。

「宝探しはいつ行くんだよぃ?」
「あぁ。船の修理の手伝いとか終わったらな。
多分、ログが溜まり終わった辺りだと思うぜ」
「出航には間に合わせろよぃ」
「おぅよ!楽しみにしとけよ〜
それより、マルコ。一緒に行かねぇか?」

サッチの誘いに海賊の血が疼く。
が、タイミングが悪かった。

「その頃には船番だ。遠慮しとくよぃ」
「なんだ、ついてねぇな〜。
ま、お前がいりゃあ問題はなさそうだな」

信頼の現れに、当然だとばかりににやりと笑う。
そして、マルコは書類を手に立ち上がった。

「この間の報告書、あとはサッチだけだよぃ。
仕事が終わったんなら、今書いて来いよぃ」
「げっ、マジか・・・お前はどこ行くんだよ?」
「ちょいとその辺の偵察だよぃ」

そう言ったマルコは、書類を置きに抗議の声を上げるサッチを放って書庫へと向かった。













































2013.7.15

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