ーーなんでも屋さんーー
さて、無事にモビー・ディック号の乗船許可は取り付けた。
あとは、この船にいる間に何処にお世話になるか、だが・・・
「決まってる!4番隊だ!はい、決定〜」
「待てよぃ、サッチ。
お前はこいつを警戒しなさすぎだよぃ」
水を差すようなマルコに、サッチは口を尖らせた。
「なんだよマルコ。
オヤジが許すっつてんだから、ちゃんは仲間だぞ!」
「いえ、仲間にはちょっとなれません」
「そんな事言わずに、俺の妹になっとけよ〜」
「サッチ・・・」
呆れて言葉もない、そうありありとマルコの顔に書いてあった。
はこれ以上、無意味な時間を過ごすのは御免だ、という思いを笑顔の下に隠して二人の会話に入った。
「ともかく、暫くこちらでお世話になるので何かお手伝いさせてください。
何処かの部隊に入れてくださって構いませんから」
「4番隊!それで決まーー」
「お前に何ができるんだよぃ」
サッチを遮ったマルコ。
「そうですね、一通りできますよ。
海上レストランでバイトしてたので料理もできますし、情報屋をやってたので書類の扱い、それと作戦を立てたり、敵を欺いたり。
医術は人並み以上、医者以下。航海術も然り。
ん〜、あとは戦闘では自分の身を守れるレベルですかね」
「オールマイティー、ってことだな!
ますます、俺のいーー」
「人手が足りないところはとりあえずなかったはずだよぃ」
マルコの言葉に、は唸った後、パチンと指を鳴らした。
「じゃあ、決まるまでは、なんでも屋さんですね」
2013.7.15
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