ーー頃合いーー








































































海軍の将官、しかも中将ともなれば立派な執務室が与えられる。
それは、部下の数人が机を並べたとしても有り余るほどの広さで・・・

「うーん・・・」

そんな部屋で、は一人腕を組み唸っていた。

(「そろそろだよなぁ・・・」)

本部の構造、各支部の位置、どんな部隊があるか、左官以上の顔と名前と能力、過去の事件etc…
ひとまず、欲しいものは粗方手に入れた。今になって、自分の記憶力の容量に感謝する。
さて、得たは良いがこの先はどうするか。
もう情報収集は切り上げても問題ない。問題なのは、どうやって出て行くか、だ。
力技で入ったのだから、今更正規の手続きで出て行くのも気が引ける。
なにより、このポジションを失うのはちょっと惜しい。
だからといって、海兵に身を堕とすつもりはさらさらない。
正義という束縛は自分の性に合わないのは暫らく居て痛感した。

「後腐れなく出て行けて、かつ戻ってきても問題にならない方法、か・・・」

そんな都合のいい方法が果たしてあるのか?
世の中、そんなうまくはできていない。
やはり、これから世界を回るためにも、ここは海兵の身分は捨てるか。
止まっていた書類の整理を再開する。
気もそぞろになりながらも、一番上の書類を手元に引き寄せる。

「んー・・・
これ、中将決済の書類じゃない。どうしてこっちに紛れ込んでるのよ・・・」

全く、これで中将が務まるのは本当にボガードさんが副官だからだ。
そう思い外そうとしたが、どんな内容か気になり、文面を目で追う。

「えーと、『復隊申請書』?こんなのあるんだ〜」

基本的に海軍を一度抜ければ、復隊はほぼ不可能と言われている。
だから、まさかこんなものがあるとは思いもしなかった。
鼓動が僅かに早まるのを感じながら、は核心を探すようにさらに先を見進める。

「『ーー戦闘中、行方不明扱いとなった以下の者の申請を取り下げ、新たに復隊を願い出るものと・・・』ーー!!!」
ーーガダンッーー
(「これだ!」)

願ってもないタイミングで登場したその紙に勢いよく食いついた。
椅子が倒れたが自分しかいないその場で気にする必要もない。

これで材料は全て揃った。
あとはーー

「行動あるのみ♪」













































>余談
「ガープ中将〜、巡回申請下りましたぁ」
「よし、暇潰しに海賊共をとっ捕まえてくるか!」
「そうですね」
「派手に暴れてやれるぞ!」
「Yes, sir.」





2013.7.15

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