随分長く、航海を共にした。
だが明日、島に到着した所でこの気さくな一団に別れを告げることとなる。
その為、甲板では3日前からお別れ会と託けた宴会が開かれていた。


























































ーー警告ーー




































































流石に3日連続となると、いい加減飽きてきた。
初日はやれ仲間になれだの、やれやっぱりまだ降りるなだの、泣きが入っていた船員もいた。
だが、今はどうだ?
いつもと変わらない、ドンチャン騒ぎになっている。
これがお別れ会と称していいものか、甚だ疑問に思ってしまうだった。

(「ま、別にいいんだけど・・・」)

引き止められる口上は聞き飽きたし、何より自分の心はもう決まっている。
だから、余計な応酬をしない方がこちらとしてもありがたい。
だが、言い出したホストがこんな惨状だと、苦言の一つも零したくなる。
泥酔して潰れた船員に、一通りブランケットを掛け終えた。
折角だから飲み直すか、と新しい酒を取りに行こうとした時だった。
ちょうど飲んでいたらしいシャンクスと視線が合い、手招きを受けた事でそのまま足を進めた。























































「これからどこに行くつもりだ?」
「そうですね〜」

一緒に飲む事になったにシャンクスが問う。
注がれたジョッキを片手に持ちながら、問いに考え込むと、は指を折り始めた。

「一度、レイリーの顔を見に戻ってから、情報収集をしっかりして・・・」

後は〜と、考え込んだ
と、思い出したようにパチンと指を鳴らした。

「あ!会ってみたい人がいるんです」

会いたい奴?と疑問符を浮かべるシャンクスに、は頷く。

「海賊王と渡り合った、白ひげさんです」

その言葉に、シャンクスの動きが止まるった。
纏う気配が変わった事で、は手元から視線を移す。

「どうかしたんですか?」
「一つ、忠告しておく」
「忠告?」

珍しく真面目な様子のシャンクスには眉根を寄せた。

「白ひげの所に行くなら、奴の名前を覚えておけ」
「名前?」

ああ、と頷いたシャンクスはジョッキを置いた。

「奴は底知れない男だ」
「ずいぶんと危険視するんですね」

目を瞬かせるに、シャンクスの右手が挙がり左目を指した。

「この傷を、つけた男だ」
「!」

その言葉には目を見張る。
しばらく固まっていただがゆるゆると息を吐いた。

「四皇からの言葉です。蔑ろにはしませんよ」
「警戒し過ぎるということはない。
友達の言葉としても心に留め置け」
「・・・分かりました。
教えていただけますか?その人の名前を」

の言葉にシャンクスは、重い口を開いた。

「奴は白ひげ海賊団、2番隊隊員ーー」














































「マーシャル・D・ティーチ、黒ひげだ」
























2013.7.15

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