ーーバタンッーー
「助けてください、ベックマンさん!」
ーー厄介払いーー
ノックもなしに突如、乱入して来たのはこの船、レッド・フォース号に乗船している唯一の女だった。
普段であれば、礼儀を尽くすのだがどうも様子がおかしい。
なんとなく予想はつくが・・・
自分の背後にくっ付いて来たに、読みかけの本を置く。
「、どうーー」
「見つけたぞ、
!往生しろ!」
2人目の乱入者に、ため息がこぼれる。
やっぱりこの人が原因か。
「嫌って言ってるじゃないですか!」
「聞こえねぇなぁ〜」
「まずは落ち着け、なんだっていうんだ?」
自分の部屋で暴れられては迷惑だ。
落ち着かせて話を聞いてやればなんのことはない。
ヤソップらの話しで、がシャンクスから1本でもとれるかどうか、という話しが賭けになり、お頭が悪乗りしてじゃあやるかという話しになったらしい。
「だから腕試しだと言ってるだろう。俺は右しか使わん」
「隻腕でも脅威です!」
「よし、ならが俺から1本取ったら、見習い時代の航海日誌を見せてやろう」
お頭の言葉に、の気持ちがぐらついたのが分かった。
これは勝負が見えたな。
「・・・え?」
「見たいだろ?何だって、お前が一番知りたがってるものだしな」
「ず、ずるいですよ!」
「だぁっはっはっは!さぁ、どうする?」
にやりと笑うお頭も人が悪い。
大体、あの航海日誌は当時の副船長がつけていたものの複写だったはずだ。
ならすでに見たことがあるはず。
「う〜、ベックマンさ〜ん」
情けない声を上げるは、俺に助けを求める。
だが、こちらには全く関係ない。
それにこれ以上、本を読む時間を奪われたくない。
「、お前の負けだ。さっさと行って来い」
2013.7.15
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