ある日の昼下がり。
部屋に響いた呟きから事は始まった。







































































ーー引っ掻き回されたのは・・・ーー







































































「ベックマンさんって、頭脳明晰、冷静沈着、リーダーシップもバッチリで」
「・・・どうした、突然?」

思わず読みかけの本から視線を上げる。
そこにはソファに腹這いになるがいた。
新聞を開いているが、恐らく読んではいないだろう。

「んー・・・うん、いつも頼りになるし、シャンクスさんと違って常識人だし、紳士だし、それに声も素敵でカッコいいし・・・・」
「・・・・・・」

一体どうした、という問いを視線で向けられたは、はたと我に返った。
ロイヤルブルーの瞳と視線が交錯する。

「あ、ち、違いますよ!い、一般的見解を述べただけで・・・」

赤くなるに、ベックマンはどう扱ってやろうかと、タバコを咥えたままの頭をポンポンと撫でた。

「・・・なんか、これはこれで子供扱いされているようで嫌なんですが・・・」
「落ち着いたなら、さっきの発言の意味を教えてもらおうか?」

ベックマンの言葉に、はソファから起き上がる。
そして、先程の不機嫌さを僅かに残しながらも、気恥ずかしさを残す顔で言った。

「単に疑問に思っただけですよ。
貴方ほどの人が誰かの下についてるってことが・・・」
「そうか。冥王の娘にそう言って貰えるたぁ光栄だな」

にやりとベックマンが笑えば、が目を見開く。
なんだ?と視線で問えば、彼女はふいと目線を外した。

「ホント、ベックマンさんは罪作りな男ですよね」
「は?」
「毒牙にかかった人の気持ちがわかります」

僅かに頬を染めたその横顔は、女の色香と少女の純情さを併せ持っていて。
それだけでなくこの女は戦う強さも持っている。
ベックマンはその姿に魅入った。
陸にいる上玉な女とも違う。
純真無垢な女とも違う。
相反するものを併せ持っているくせに、自身の興味を引く物があれば目を離せないほど無邪気で危なっかしい。
そして、毎回毎回振り回されるのはこっちだ。

「ベックマンさんといると、引っ掻き回されちゃいます」
「・・・そうかい、そりゃあーー」

































































ーーこっちのセリフだーー

























2013.7.15

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