「なぁ、はオールブルーって知ってるか?」
「オールブルー?」







































































ーーBoy's be ambitiousーー







































































とある昼下がり。
お茶を持って行ったサンジの部屋でいきなり聞かれた質問に首を傾げた。
聞いたことがないわけではないが、彼が今求めている答えではないだろうと、心に留める。
すると少年は呆れ返ったように、見ていた調理本を閉じた。

「なんだ、知らねぇのかよ。世界中歩き回ってるんだろ?」
「じゃあ、サンジ君教えてくれない?」

下手にそう言えば、少年は得意気に胸を反らし、仕方ねぇな〜、と語り出した。

「オールブルーってのはな、東西南北、全ての海の魚が泳いでるんだ。
あらゆる海の食材が揃う幻の海なんだぞ!」
「そっか、サンジ君はその海を見つけるのが夢なんだね」

今まで得てきた情報通りの話。
だが、少年の期待に膨らんだその姿に思わず背中を押してあげたくなる。

「いつか探しに行くの?」
「ああ、そのつもりだ」
「そっかぁ〜、なら将来は偉大なる航路を目指すのかもね」
「なんで偉大なる航路なんだ?」

ポカンとする少年に、は持っていたカップをソーサーに置いた。

「東西南北、どこの海にもオールブルーの話は確認されてない。
伝説のホラ話って言われてるレベルだし・・・」
「オールブルーはあるぞ!」

怒りを見せる少年に、はちょっとちょっと、と落ち着かせる。

「私は否定してないって。だから、その4つの海にないなら可能性が一番高いのが・・・」
「偉大なる、航路・・・」

キラキラと輝く少年に、はふふっと笑った。
そして折角なら、と返答が分りきっているアドバイスを投げた。

「オーナーに聞いて見たら?」
「だ、誰があんなクソジジイに聞くか!オレが自力で探してやる!」













































>余談
「料理本の中に絵本?
『うそつきノーランド』・・・サンジ君、これって童話?」
「ああ。オレの生まれた、北の海じゃ有名なんだぞ」
「へぇ〜、探検家の話、かぁ・・・」





2013.7.15

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