「ねぇ、 」
「なぁに、シャッキー」
「レイさんのこと、どうしてレイリーって呼んでるの?
ーーPlease Call Me...ーー
とある日の午後。
ふと問われた言葉に、 は首を傾げた。
「だってレイリーはレイリーでしょ?」
「お父さんとか呼んであげればいいのに」
シャクヤクが苦笑して言えば、ますます は訳が分からない顔をした。
「なんで?」
「だって、もう2年近く経つじゃない」
「うん」
「口では言わないけど、レイさん呼んで欲しいと思うのよ」
タバコを揉み消したシャクヤクに、ジュースから口を離した は聞いた。
「おとうさんっていえば、レイリーよろこぶの?」
「まぁ、間違いなく喜ぶでしょうね」
「なんで?」
「父と呼んで欲しい、男心という奴よ」
シャクヤクの声に、 は興味薄く唸った。
「ふ〜ん」
「難しかった?」
「よくわかんない」
素直にそう言えば、シャクヤクは笑う。
「今はそれでもいいわ。
でも、呼んでもいいと思ったら呼んであげてね」
「ん」
そう言って、 の視線は再び手元に戻ろうとした。
が、
「ねえ、シャッキー」
「なぁに?」
「シャッキーもよんでほしい?」
「!」
まさかそう切り返されるとは思わなかった。
こちらを見上げるロイヤルブルーの瞳はあどけない。
「・・・ に任せるわ」
ーーそれが来る日を願ってーー
2013.7.15
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