ーーProlougeーー








































































































うららかな昼下がり。
レースのカーテンからは柔らかな陽光が室内に降り注ぐ。
そんな白を基調とした部屋に二人の人物がいた。


一人はベッドに横になっている女性。
陽光に輝く、アイスグリーンの髪が神々しい光景を作り出していた。
そして、もう一人はベッドに背を向けるようにして、初老の男が机に向かっていた。

室内には、女性の規則正しい呼吸音、そしてペンを走らせる音が響く。
と、書き終えたのか男は椅子をベッドに向けた。

「お前さんに伝えんとならんことがある」

その言葉を受け、女性の瞼はゆるゆると開けられた。
サファイアのような蒼だ、と男は思った。
そして、話の前に細腕に繋がれた点滴の速度を確認すると、再び女性を見た。

「・・・悪いことは言わん、早く帝都にーー」
「先生、あとどの位ですか?」

落ち着いた女性の声で遮られる。
すでに全てを承知しているようなそれに、男は眉根を寄せた。
それを目にした女性はとても柔らかく笑った。

「行きません」
「たが・・・」
「自分に残された時間を後悔なく生きたいんです。
だから・・・教えていただけませんか?」

きっぱりと告げられそれには有無を言わせない力があった。
男は説得しようと思った。
が、変わることのない真っ直ぐな瞳に深々と嘆息がこぼれる。
そのまま体重を背もたれに預け、天井を仰いだ。

しばらくして、意を決したように、体勢を戻す。
そして、

「もって、あと・・・・・・」

















































あとがき
端末に書き溜めてた分、じゃんじゃか上げていこうと思った次第。




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2019.1.26