ルベリエから情報を得た。
推測が正しければ、ハートの正体はアレで間違いない。
残る問題は・・・

























































ーー7000年で変わってしまったモノーー

























































「私がそちら側に付くのに条件があるわ」
「条件?元々貴女はこちら側ですヨv?」

ルベリエと話をつけた翌日。
キャメロット邸を訪れたの言葉に何を血迷ったことを、とばかりな嘲笑を含んだ伯爵の返答が返された。
冗談でこんなことを言っている訳ではないは構わず続ける。

「AKUMAのこれ以上の製造の中止、そして、エクソシストに手を出すことも今後はやめてもらう」
「んなアホナv」

ついに堪えきれなくなった伯爵は肩を揺らし始める。
全く取り合おうとしない伯爵のその様子に、は表情を変えぬままティーセットが乗せられたテーブルに手をついた。
瞬間、

ーーパリンッ!ーー

テーブルの上に無残に粉々になった陶器の破片が散らばる。
ようやく笑いを止めた男に、は再び話し始めた。

「来るべき日は迫ってる。
もうこの世界の終焉は決まり、神はその準備にかかってるのよ。もう必要ないでしょ?」
「貴女はもう神の意志を知ることができないはずでスv」
「貴方も耄碌したわね。
アポクリフォスは私の守護者よ?それに神と通じている。
神の意志を知ることぐらい容易いわ」

堂々と虚言を並べる
だが、嘘と真実が混じり合ったその言い分は真実よりもさらに真実味を増す。
そして、さらに尤もな言い分を唇に乗せた。

「そもそも神にAKUMAなんて時間稼ぎにもならない。
それは貴方が一番分かっているはずよ、レメク。
ノアの一族の中で唯一、実際に主神と対峙した貴方ならね」
「・・・」
「執拗までに力を持とうとする理由はないと思うけど?」

腕を組むの問いかけに、伯爵は可笑しいのはそっちだとばかりに反論した。

「理由ならありますヨv。
神を倒した新たな世界を統べる為に、なくてはならないものでスv」

は真剣な表情でその答えの裏に潜む真意まで見逃さぬように耳を傾ける。
だが、しばらくして返されたのは悲しげな重いため息だった。

「・・・やはり、変わったわねレメク」
「何を言っているのでスv?我輩は何も変わっていませんヨv」

伯爵の言い分を聞いても、は悲しげな態度は変わらない。

「私はこの世界を主神から取り戻し、この地に住まう者の手に返す為に戦ったのよ。
新たな支配者を生むためじゃないわ」
「そうでしたネv
どうやら我輩が思い上がっていたようでスv」

すぐさま掌を返したような伯爵の言葉に、は疑いの眼差しを向ける。
しかし、それに返されるのはやはり薄ら笑いを浮かべる男の顔。
これ以上の問答はそれこそ無駄だと判断したはため息を一つ落とすと、仕方なさそうに話を変えた。

「・・・ハートの居所が分かったの」
「v!」

の言葉に目に見えて伯爵は嬉々ときた表情を浮かべる。
その瞳に宿る狂気に気付きながらも、はさらに続けた。

「でも、ハートに関してはアポクリフォスは私相手であっても容赦しない」

そう言って、は組んだ腕を解くと伯爵に手を差し出した。

「力を、貸してくれるかしら。レメク?」

自分よりも細いそれを見た伯爵は、迷うことなく自身の手を重ねた。
それはかつて7000年前も、そうしたかのように。

「勿論ですヨv」
「・・・・・・」

だが、昔と同じく手を取られても、様変わりしてしまった男の様子にの心境は複雑に揺れるのだった。































>余談
「・・・つーか、ロード。
シリアスな話ししてんのに、人形姿で背中に引っ付くの止めてもらえる?」
「えぇ〜?どうして?似合ってるよぉ?」
「そういう問題じゃない」
「だってぇ〜、ボクのこと助けてくれたお礼のスキンシップなのにぃ〜」
「要らんわ。さっさと、バカ親シェリルんとこにでも行きなさい」
(「さっきからネチッコイ視線が鬱陶しいのよ・・・」)
「やぁだぁ〜!ウリエルの方が柔らかくていいの〜」
「っ!?どこ揉んでんの!」
「・・・ロード、お前ってば羨まーー」
ーードシュッーー
「ぐはっ!」
「セクハラ発言してるな、浮浪児貴族が!」




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2014.4.16