ーーガシャアァァンッ!!ーー
「なっ、何者dーー」
ーードガッ、バキッーー


































































ーー似てるようで似てない二人、コンビ結成!?ーー






































































リーバーに辞職願を受け取ってもらったジョニーは、最後は背中を押される形で黒の教団を後にすることになった。
そして、護衛と称した中央庁の『身を清める』ことを拒み、逃走を試みた直後。
ものの見事に失敗しこのまま監獄行きになるかと思っていた矢先、冒頭のようなハプニングが発生した。
ジョニーは突然の乱入者に言葉を失う。
まぁ札で拘束されているので、それ以上のリアクションも取りずらいわけだが・・・
ジョニーが呆然としている間、自分を監獄に連れて行くと宣言した鴉の二人はファーストクラスの一室に乱入者によって放り投げられた。
そして、

ーードガ、ゴギャ、バキン、ごりっ、ギリギリギリギリギリ、バキッ、ゴス!!ーー
「「ぎゃああああああっ!!」」
「・・・・・・・・・」

防音性が高いはずの部屋から、何やらとてつもなく痛々しい音が響いてくる。
しばらくして、それが収まりがたん、ごとんと長閑な汽車の揺れる音をたっぷり聞いた後。
札の拘束が解けたジョニーは、恐る恐るファーストクラスの扉を開けた。
そこには、見るに絶えない顔となっている護衛だったモノが座席に転がされていた。
長い棒状のものを肩に担ぐ見知った後ろ背に、ジョニーは声をかける。

「えーと・・・神田、だよね?どうしてここに・・・?」
「連絡もらったんだよ」
「連絡?でも行き先は偽の情報をってあの人達が・・・」
「・・・それを読んでた奴がいたってだけの話だ」

苦々しく神田はそう吐き捨てた。

























































時間は約4時間ほど前に遡る。
アジア支部で六幻を受け取り、フォーから用意された団服に袖を通した神田は今後の行動を考えていた。
その時、から預かっていたゴーレムが着信を告げ、仕方なく神田は無線を繋いだ。

「・・・何の用だ?」
『17時15分発、5番線からチャリング・クロス発の一番後ろのファーストクラス101号室』
「は?」

前置きも何もないそれに、神田はついにこいつはおかしくなったかと、ゴーレムを見つめた。
すると、こちらの心情を読んでいたかのように、憮然とした声が続く。

『あんた今、この私にちょー失礼な事、思ったでしょ?』
「・・・別に」
『まぁ、いいわ。
その列車に護衛という名目で鴉が2人、ジョニーに同行してる。
恐らく、なんらかの理由をでっち上げてそのまま中央庁管轄の監獄に連れて行かれるわ』

の言葉に、神田はふんと鼻を鳴らした。

「それがどうした。俺には関ーー」
『ジョニーはアレン・ウォーカーの居場所を知ってる』
「!」

耳にした情報に、思わず神田は固まる。
まるで見透かしたように、笑いを含んだは話を続けた。

『あの子に会いたいんじゃないの?』
「俺がいつそんな事言った」
『そんな事聞いてないわよ。ただの女のカン』
「・・・マリからは、ユーストンから16時発だと聞いたぞ」

反抗するように神田が言えば、ゴーレムからはあからさまな溜め息が響く。

『ユウって本当にバカねぇ』
「あ"?」
『中央庁がバカ正直に行き先を表沙汰にする訳ないでしょーが』
「・・・」
『ま、活用するもしないもご勝手に。
手がかりなしに世界中を捜し回るなんて、たいへ〜ん』
「てんめ・・・」
『じゃね〜』
ーーブチーー
「あ!待ちやがれ!」

まるで他人事のように、からからと言ったは一方的に通信を切った。
何度呼びかけても応答がない所を見ると、電源さえ切ったようだ。
わなわなと怒りに肩を振るわせる神田は、本人に向けたい怒りを手近の壁に叩き付けた。


































































と、いうやり取りがあった訳だが、神田はもちろんジョニーに説明する気などない。

(「・・・くそっ、転がされてるのが気に食わねぇ」)

再び沸き上がってきた怒りの腹いせに、すでに意識がない鴉を蹴りつける(酷)。

「一体、そんなこと誰が・・・」

まさか班長じゃないだろうし、とまだ一人考えているようなジョニー。
神田はもう考えたくもないと、話を打ち切るように口を開いた。

「ジェシカって言っときゃ分かるんじゃねぇか?」

聞かされた答えに、しばしジョニーは固まった。
が、

「ええっ!?ジェシカちゃんが!な、なんで!?」
「さぁな。ま、元々あいつはアジア支部のエクソシストだ。
それにあの性根だ、小細工も得意なんだろ」

本人を前に言ったら、とんでもないことになるだろうことを神田はさらりと言ってのける。
だが、神田にはどうってことないことでも、ジョニーに与えた衝撃は全く違った。

え、えええええっ!!!!あのジェシカちゃんがぁ!?だ、だって科学班にーー」
「考古学は博士号取ってんだとよ。詳しく聞いたことはねぇがな」

おら、部屋変えんぞ、と一人歩き出してしまった神田。
慌てたジョニーは荷物を手にすると、もっと詳しい話を聞こうとその後を追いかけるのだった。













































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2013.11.4