「
、今夜ひーー」
「暇じゃない」
ーー自力でやってやるーー
言い終わるのを待たずに
はバッサリと言い捨てた。
ちなみに、視線すら上げられていない。
いつものやりとりだが、それを受けた男はひくりと頬を引き攣らせる。
「即答かよ・・・」
「古文解読が詰まってるの」
「なら気分転換も必要だな」
「んな暇ないって・・・ちょっ!」
言いかけた
は参考書を取り上げられたことで、射殺せるほどの視線をティキに向けた。
「返せ」
「付き合えよ、スポンサーのわががまくらい」
ティキの言葉を耳にしたり
は、厳しい視線そのままに言い返した。
「我が儘だって分てて付き合うわけないでしょ。そこらの貴族使え」
「その古文解読に詳しい博士のコネがあんだけど?」
「はぁ?学のないあんたがそんな知り合い、いる訳ないでしょ」
「まぁ、学がないのは認めるがな・・・でも忘れてるぜ、俺の家族のコネクションは政界まで伸びてるほど広いってな」
その言葉に、
はぐっと詰まる。
確かに、こいつの頭は使えないがコネクションが使えるのは事実だ。
(「・・・ま、使える物は使う方が利口よね。話を聞くだけならこっちの損にはならないし」)
渋々、
は自分に言い聞かせ、仕方なく会話を成り立たせる。
「・・・で?どこにいるのその博士」
「今夜の舞踏会に来る」
けろっと、言ってのけたティキ。
が、それまで自分に必死に言い聞かせていた
の心情は180°変わった。
「行かない」
魂胆が見え見えだ。誰が行くか!
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2013.10.26