「相変わらずパンパンだな。このデブ」
「貴方も相変わらず口が悪いですネv」






























































ーー追憶の唄 前編ーー




























































所変わり、崩壊する方舟の中。
クロスと対峙していた伯爵は、目的を済ませこの空間から脱出をしようとしていた。
そして唯一の脱出経路である扉に入ろうとした。
寸前、動きを止めた。

「おっトv」
ーーザンッ!ーー

伯爵が今まさに、通ろうとしたその場所を鋭い光が通過した。
そして、軽い靴音と共に扉の上に降り立ったのは、光。

「困りましたネェ〜、もう貴女とは戦えないのですガv」

扉の上に立つのは、光を纏い、輝く翼を広げる女性。
長く揺れる髪は光り輝き、纏う衣はまるで神話に登場する神々が身に付けるようなものだ。
伯爵の言葉に耳を貸す事なく、その手に握られた剣が振るわれる。
だが、伯爵もその手で剣を振るえば、斬撃がぶつかり合い互いの視界を奪った。
視界が戻った時には、すでに女性の前から伯爵の姿は消えていた。

『ふん、逃げたか・・・』

興味薄い、呟き。
そして、女性が視線を巡らせれば、まだこの場にいる3人と目が合った。
すっと目が細められる。

「あのバカが・・・」

目が合ったクロスは小さく毒づいた。
その近くにいたアレンとリナリーは遠くに見えるその姿を見ようと目を凝らす。

「敵、でしょうか?」
「あの人、何処かで・・・」

その間に、 の背中の光が羽ばたき、その身体を宙に運ぶ。
クロスは話を打ち切るように、二人に向き直った。

「おい、兎も角任務だ。ひとまずここから離れる」
「任務って、『生産工場プラント 』の破壊・・・ですよね?」
「でも、離れるって・・・」
「開けろティム」
「「!?」」

光に呑まれた3人の姿はあっという間に消える。
それを見ていた女性は、うっそりと笑った。

『我から逃げられると思うな・・・』






















































生産工場プラントにクロス、アレン、リナリーの3人は移動した。
辺りには大量の人型のモノが転がるその場所。
二人の質問に碌に答えず、クロスは卵型のオブジェの前でその足を止めた。

「よし、術で転送を僅かだが遅らせる。アレン、お前さっさと方舟を動かしてこい」
「はぁっ!?師匠、言ってる意味が全然ーー」
「とっておきの部屋を開ける。ティムに従え」
「ちょ、まーー!」

クロスは説明らしい説明をすることなくアレンをティムと共に、光の先へ送り出す。
そして崩れ落ちる足場の中、卵の前でできうる限り転送を食い止めていた。
と、空間が歪んだ上空から光が生まれる。

「・・・もう来やがったか」

リナリーを抱えたクロスの憎々しい呟きが零れる。
徐々に輪郭を現すのは、まるで色素が薄まったヒトの形。

「元帥、あの人は一体・・・」

クロスに訊ねようとしたリナリー。
だが光は先ほどの女性へと形を変える。
そして、その手が振り上げられたことで、クロスは傍に控える者の名を呼んだ。

「ちぃっ!マリア!」

クロスのイノセンス、マリアの能力が発動される。
瞬間、まるで吊り糸が切れたように、女性は空から崩れ落ちた。
まるで、羽を折られた鳥。

ーードサッーー
「ったく、てめぇまで余計な手間こさえんじゃねぇよ、

抱き留めたクロスが面倒そうに呟いた。










































ごめんなさい。詰め込み過ぎた自覚があります。
そのうち修正を。。。


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2013.9.30