フォーに面倒事を押し付けたは食堂で無事に任務(単なる食事)を済ませ、部屋へ戻ろうとしていた。
が、その途中で運悪くウォンに見つかり、そのまま医務室に連行。
ついでに強制的にシャワーも浴びさせられ、包帯の巻き直しやら、ガーゼの取り替えやらをされてしまった。



















































ーーさぁ、食後の運動だーー



















































「くっそぉ・・・動きにくい・・・」

しっかりと固定されてしまった腕を恨めしげに見下ろす。
鍛錬の影響か、僅かに傷口が開いていたことで、ウォンは殊更きつく巻いてくれたらしい。
部屋に戻って外すか、と思っていた。
その時、警報が辺りに響き渡った。

『緊急事態発生、緊急事態発生。アクマ、支部内に侵入!
各班班長の指示に従ってーー』

その警報音に、は動きを止めた。

「はぁ?100年凌いでて今更?フォーは何を・・・」

はすぐに走りだし、通信機でバクに連絡取る。

「バク、聞こえる?」
か!?実はAKUMAがーー』
「警報聞いたから知ってる。どのエリア?」
『戦うつもりか!まだ病み上がりだろうが!』
「じゃあ、黙って殺されろって?冗談」
『しかし・・・』

バクの渋る声が響く。
だが、この状況で取るべき行動の選択肢など決まっている。

「エノキ少年はまだ使い物にならないんでしょ?
なら私しかいないじゃないの、分かりきってるはずよ」
『エノーー』

の言葉が誰を指しているか、バクは一瞬分からなかった。
が、それがアレンのことだと理解する。
状況は差し迫っている。
逡巡した後、バクは絞り出すように呟いた。

『・・・すまん』
「私に謝るのはお門違い。さっさと誘導して」
『分かった。場所はーー』

バクの話を聞き、は現在の場所から一番近いエリアに方向を変えた。

「オーケー、片付けてくる。そっちは問題ないんでしょ?」
『・・・実はウォーカーがAKUMAの攻撃を受けた。今から北地区を隔離するところだ』

走りながらその話しを聞けば、は呆れたように毒づいた。

「はぁ?ったく、使えない・・・」
『仕方ないだろう、彼のイノセンスはーー』
「だから何?AKUMAの攻撃を受けたのは仕方ないって?それとも身を挺して守ってくれたんだから責めるなとでも?
バカバカしい」
『お前な・・・』

言い過ぎだ、とばかりなバクの雰囲気には容赦なく言った。

「自己犠牲が美しいなんて与太話聞きたくないわ。
で?私は当初通り動いて良い訳?」
『ああ、こちらのAKUMAはなんとかする。他の区域を頼む』
「分かった」

そう一言告げたは通信を切ると、教えられたエリアに向け走り出した。















































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2013.9.24