ーー似た者同士ーー
目が覚めたら、至近距離にある顔。
しかもそれは友好とかけ離れたほど目が据わっている。
「・・・」
「・・・なんだ」
「・・・んー、別にぃ?」
「・・・・・・だから」
「だーから、別にって言ってるでしょ?」
それを向けてくる人物。
同僚でもある上忍、カスミナの視線は未だに外れない。
まったく、こちらは一応怪我人だというのに・・・
痺れを早々に切らせたカカシは深々と嘆息した。
「はぁ・・・言いたい事があるならはっきり言え」
「なぁーにそれ、わざわざ見舞いに来てやったってのにその態度は」
「来てやったって・・・」
とんでも上から発言だ。
というか、なんでこいつがここにいる?
いつも長期任務に就いて里に戻ってくるのは稀。
だというのに、こちらがこんな状況になってるのさえ、知る由もないはずないのに。
「色々大変だーー」
「任務外だって分かってて断りもせず、新米くん達に危ない橋を渡らせて、力使い果たして一時戦線離脱、どうにか完遂したけど、挙句に入院して何が大変よ」
「そ、それはだな・・・」
「あ、違うか。
断らなかったんじゃなくて、断れずに押し切られたが正解か」
「・・・なんで知ってる」
呆気に取られてしまった。
ピンと指を立て推測と言う名の事実を語るに、思わず目を丸くした。
それが意外だったのか、相手からもキョトンとしたような表情。
『申し訳ありませんでした。
任務外に面倒事を持ってきてしまいまして』
『義を見てせざるは勇なきなり、勇将の下に弱卒なし、ってな』
『火影様?』
『任務外だからって、目の前で人攫いに何もしないってのは義にもとる。
だからーー』
「・・・?」
「お人好しだからね、カカシは」
遠くを見やり、は少し笑って肩を竦めた。
その視線の先に馳せる想いは互いに同じとは知らずに。
日本出てからようやくNARUTOを見たっていう。
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2019.7.9