ーーらっきーSKB part.2ーー
















































































































担任からお叱り呼び出しを受けた帰り、廊下の角で同期が楽しげに誰かと話している姿が見えた。

(「お、傑だ」)

相手は誰かは分からないが、こんな美味しい状況を見過ごすなんて勿体ないことはできない。
気配を消し、そろりそろりと足音を忍ばせた悟は目標が笑い声を上げた瞬間、その背中を突き飛ばした。

「すぅ〜っぐる〜!ドーン!」
ーードンッ!ーー
「うわっ!」
「え」

予想通り、突然の衝撃に対応できなかった傑はぶつかられた勢いのまま談笑していただろう相手の方へと飛んでいった。
どうやってからかってやろうかとワクワクしながら、まず手始めに相手の様子見を兼ねて無様な格好をイジるかと角から姿を現した。
だが、目の前の予想外の状況に悟は固まった。

「やーい、びっくりし・・・」
「っ痛ぁ・・・」

目の前に星が飛ぶってこう言うことか。
今まで任務で受けたどんな負傷よりも痛い気がする。
ズッキンズッキンと脈打つ度に痛みが増す後頭部を抱えたは痛みをやり過ごすべくキツく目を閉じていた。

「随分派手な音がしたな」

倒れた横の教室から届いた声に、涙目となったが視線を移せばちょこんと膝を折ってこちらに携帯を向ける硝子がいた。
いや、そんな暇あるなら何とかして欲しい。

「じょ、じょーこ先輩、頭めっちゃ痛いです・・・」
「おーそうかそうか。それよか、そろそろ離してやれよ」

にまにまと楽しそうな硝子に、あえて触れずにいた自分に覆いかぶさって一言も発していない人に視線を向ける。
正確には、胸に顔を埋める形で硬直している傑にどんな顔を向ければ良いのかが分からないのだが。

「・・・いや、これって私が言えば余計ショックが増すような状況じゃないでしょうか?」
「そのままだと吸われるぞ」
ーーガバッ!ーー

硝子の一言でがばっと離れた傑に硝子はなおも楽しそうに口調を弾ませる。

「お、離れたw」
「怪我はありませんか、夏油先輩?」
「・・・ごめん」
「いえ、事故ですのでお気になさらず。
といっても難しいと思うので、お詫びを思うなら先ほどから不気味なほど黙って、動画を撮ってるらしい相方をどうにかしていただけますか?」
「悟、外で話そうか?」




























































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2021.10.29