in キャメロット邸。
「何の用よ、レメク。用もないのに私を呼びつけるなんて何様のつもり〜」
ふわぁ〜あ、と椅子に座るは欠伸を噛み殺す。
ティキから伯爵が話しがあるということで付き合ってやれば、当人はティータイムに勤しんでおり用事なんてなさそうだ。
そもそも、から話すことはあっても向こうが用事があって呼びつけるなど考えられない。
最初に気付くべきだった、とはうんざりしながら首を回す。
「イエ、我輩の家族が貴女に用があるようでしたのでネv」
「家族ぅ?」
が視線を巡らせれば、好戦的な視線を向けてくる奴が確かにいた。
ーー躾の最良法ーー
「・・・おやおや、分かりやすいくらいの殺気を向けちゃって。
私を呼びつけるだなんて、くだらない用事だったらしばき倒すわよ?」
「上等だぜ!この間は妙な技かけやがって!」
(「妙な技じゃないっての・・・」)
「今度はボッコボコにしてやる!」
「ヒヒッ!ボッコボコだ!」
「・・・・・・まさか呼びつけたのって、そんなくだらない用事なわけ?」
ひくり、との米神が脈打つ。
だが、テンションが高い二人にはのそんな様子を察することはできない。
そんな中、デビットはビシッとに指を突きつけた。
「言わせてもらうぜ!
なんで俺らがエクソシストだった奴の、しかも女の指図を受けなきゃならねぇんだ」
「そうだそうだ!ヒヒッ!」
「・・・やめといた方がいいと思うがな」
「落ちこぼれは黙ってろっ!」
「黙ってろ!」
口を挟んだティキに二人は怒鳴り返す。
は二人の言い分を聞き、迷惑顔で腕を組んだ。
「・・・ははぁ〜、な〜る。私があんたらに指示を出すのが不満てわけ」
「当ったり前だっ!」
「だっ!」
口を揃える二人に、は深々と溜め息を吐いた。
「あっそ〜、ならとっても簡単な解決策があるわ」
「解決策だぁ?」
すくっと立ち上がったはデビットらから離れて歩き出す。
「ねえ、犬を躾ける効果的な方法って知ってる?」
キュッと革手袋を嵌めながら言うに、その場にいる全員の頭上に疑問符が浮かぶ。
そして、は立ち止まるとくるりと振り返った。
「誰がボスかを叩き込んでやりゃあ、服従するわけ。
そら、遠慮はいらないわよ」
さっさとかかってこい。
妖艶に笑うは右手の人差し指と中指を立てくいくいと動かす。
ノアの中でも短気なデビットとジャスデロは挑発されるまま、に飛びかかった。
ーー5分後
「ったく、安い挑発に乗せられて。
だ〜からクロスなんかに借金を押し付けられんのよ」
ぱんぱんと手を払う。
「はい、2匹いっちょ上がり」
の足元には完全に伸びているデビットとジャスデロ。
二人を足蹴にし、は息すら乱さず観客となっている他の面々に向かって口を開く。
「残りはどうするの?指咥えて見てるだなんて、ただの腰抜けかしら?」
「・・・おいおい、あんまり調子に乗ると痛い目みるぜ」
タバコを拭かしているティキに、は腰に片手を付き不敵に笑い返した。
「あぁら、人の胸を鷲掴む以外に何が出来るのか見てあげましょうか?」
「泣いても許してやらねぇかもしれねぇぜ?」
「それは私に一度でも勝ってから言うのね」
の台詞にタキシードの上着を脱ぎ捨て、タイすら外したティキはゆっくりとへと歩き出した。
ーー10分後
屍は3つに増えた。
「はい、落ちこぼれもこんなもんね。
他に文句がある奴がいるなら今のうちにケリ着けてやるわよ」
「これはまた、派手にやりましたネv」
紅茶を飲みながら楽し気に言う伯爵に、は尊大に鼻を鳴らした。
「先に吹っかけてきたのはこいつらよ。
で?ワイズリーにデザイアス、ラストル、ロード。身内の敵討ちはしないのかしら?」
伯爵の周りに陣取る残りのノア達にが問えば、テーブルに頬杖をついたロードがコロコロと笑った。
「ボクはウリエル好きだも〜ん。戦う気なんてないよぉ〜」
「儂は昔と同じ轍は踏まんからのぉ」
「私は主人に従うだけです」
ワイズリーにルルがロードに続いて言う。
それにあっそ、とばかりには残りの一人へと視線が向いた。
すると視線があったその男はニヒルな笑みを浮かべる。
「僕は虐められるより虐める派だからね。
それに、美しい顔に傷が付くなんて耐えられない」
「あ〜ら、私の顔の心配するなんて余裕じゃない」
「僕の顔のことだよ」
「・・・相変わらずね、こんの変態ドS」
顔を顰めたは毒突くと、伸びた3人を(わざと)踏みつけ自分もティータイムの輪へと加わるのだった。
時間軸的に、昔の記憶を受け入れてノアの一族と対面後くらい。
いくら伯爵の指示に従うノア'sでも言う事聞かない奴は出てくるだろうなぁと思って。
でもそこは腕っ節で納得させてしまう、うちの最強ヒロイン(笑)
そして、落ちこぼれはやっぱり勝てないという落ち。
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2014.5.11